忍者ブログ
沖縄在住の絵描き、琉備の浪士こと新垣正彦の適当な語り日記ですよ。 メインのサイトはここです→http://ryubi.mu-sashi.com/ っていうか、ブログのテンプレに性別ってのがあるんだけど、非公開から表示を変えられない(汗)別に隠したいわけではなんだけど・・・
            
[12]  [11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

満月が綺麗ですなー。
 
昨日の話だけど、
ふちゃぎ(吹上餅・ふちゃぎむーちー)を13年以上振りに食べた。
 
これは餅粉をこねて蒸したものに、茹でた小豆をまぶしつけた餅。
 
沖縄では旧暦の8月15日(十五夜)に、豊作を祈願し、ヒヌカン(火の神)と仏壇、神棚にふちゃぎを供えた後に食べる。縁起物。
小豆は魔除けの意味合いがあり、小豆をつぶさずにまぶすことで当年の災難避けを祈願する。

このふちゃぎ、味だけでいうと美味しくない。
そのまんまの餅にそのまんまの小豆をくっつけただけの、お菓子としては工夫も何も無い食べ物である。
正直、子供の頃に食べたふちゃぎの思い出は、「食べるの面倒くさい」というものだった。

そのせいだとは思うんだけど、いつからか、ふちゃぎに砂糖を足した、甘いふちゃぎなるものがお店で売られるようになった。
これで子供も甘いもの好きな人も食べられるようになって、大好評!になったかどうかは分からない。

13年振りのふちゃぎは甘いバージョンだった。
本当は普通のタイプのふちゃぎを食べたかったのだけど、実は沖縄では未だに味のない元祖ふちゃぎが人気なのだ。
大きな店でも普通のふちゃぎは売り切れていて、甘いタイプのふちゃぎしか残っていなかった。

そして俺も甘いふちゃぎを食べて思った。
「これは何か違うな・・・」

甘いふちゃぎは違和感がある。子供の頃、まずいと思っていたはずのふちゃぎだが、原因は餅ではなく、小豆にあるような気がする。
豆を甘い豆にしたほうがいいような・・・

しかしそれはおいといて、歳を重ねた俺は別の事を思った。

子供の頃、ふちゃぎが美味しくないと思ったのは、味ではなく
「親や周りからふちゃぎを食べる事の意味を教えられていなかった」のと
「沖縄の行事に興味が無かった俺の心の無さ」の二つが原因だと。

昔は白い餅は贅沢なお菓子だったに違いない。
小豆も豊作の象徴に見えたのだと思う。

でも今は美味しいお菓子はそこらのお店に売っているし、簡単に買える。
「味が淡白なふちゃぎよりも、あんこの入った甘い餅がいい!」

沖縄の伝統の意味の重要さを伝える人も周りに少なくなっている。
「昔からの決まりだから食べなきゃいけないとか、意味が分からないから嫌だ!」
だから子供の頃に食べたふちゃぎは美味しくなかったのかもしれない。

今なら子供の時よりも、20代の時よりも違う感じ方ができる。

ふちゃぎが食べられる事のありがたさよ。
綺麗な月を見る事ができる日常のありがたさよ。

モグモグ。
PR
+この記事にコメントする+
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
新垣 正彦(琉備の浪士)
性別:
非公開
最新記事
P R



忍者ブログ [PR]